登場人物
新行内 芳明(しんぎょうち よしあき) LIVIN CLINIC 院長 / 形成外科専門医・医学博士
インタビュアー 読者の代表として素朴な疑問をお届けします
こんにちは、LIVIN CLINICです。
昔入れた鼻プロテーゼについて、「このまま入れていて大丈夫?」「10年たったら交換が必要?」「抜くのと入れ替えるのは何が違う?」と不安を感じている方は少なくありません。今回は、鼻プロテーゼを「そのまま入れておく」「抜く(抜去)」「入れ替える」のどれを選ぶべきかの判断基準を、抜いた後の鼻の変化や、鼻筋を整え直す方法、よくある質問とあわせて新行内院長に解説してもらいました。
この記事でわかること
- 鼻プロテーゼを「そのまま・抜去・入れ替え」のどれにするか、判断の目安
- 長年入れていたプロテーゼを抜いた後に起こりうる鼻の変化と、鼻筋を整え直す方法
- 劣化や10年ごとの交換についての考え方と、今プロテーゼが入っている方が確認したいポイント
鼻プロテーゼとは?どんな素材で、どこに入れるのか

インタビュアー
新行内院長、今回は鼻のプロテーゼについていろいろと伺いたいと思います。そもそも、プロテーゼとは何なのでしょうか?

新行内
プロテーゼとは、いわゆる人工物のことです。シリコンや、ゴアテックスという素材で作られたものがあり、主に鼻筋に入れて、鼻筋を高くするために使います。
インタビュアー
鼻筋以外の場所に入れることもあるのですか?
新行内
はい。最近では、鼻翼基部に入れる「貴族手術」と呼ばれる手術に使うこともあります。
昔入れた鼻プロテーゼは入れたままで大丈夫?そのまま・抜去・入れ替えの判断基準

インタビュアー
昔プロテーゼを入れた方の中には、「ずっと入れていて大丈夫なの?」「いつか抜いたり入れ替えたりしないといけないの?」と気になっている方も多いと思います。まず、どう考えればよいのでしょうか?
新行内
世間では「10年くらいで入れ替えなければいけない」と言われることもあるのですが、私の考えでは、ご自身として特に気になるポイントがなければ、入れたままで構わないと思っています。
インタビュアー
どのようなことが「気になるポイント」になるのでしょうか?
新行内
例えば、プロテーゼが曲がってしまっている、時間がたって浮いてきたような感じがする、あるいはまれに「石灰化」といって、ボコボコしてくることもあります。何十年かたつと、こうしたことは起こりえます。そういった気になるポイントがあれば、何か対策を考えるという流れになります。
インタビュアー
実際の診察では、「そのままでいい」「抜いた方がいい」「入れ替えた方がいい」を、どこを見て判断しているのでしょうか?
新行内
結局のところ、ご本人がどこを気にされているかです。曲がっている、浮いている、見た目を変えたいという状態であれば、入れ替える、あるいは抜くという判断になると思います。反対に、何も気になることがなければ入れたままでいい。シンプルにそこだと考えています。
動画で語られた基準をもとに、3つの選択肢を整理すると次の通りです。

長年入れていた鼻プロテーゼを抜くと、鼻はどうなるのか

インタビュアー
長年入れていたプロテーゼを抜くと、鼻はどうなってしまうのでしょうか?
新行内
シンプルに、高くなっていた鼻筋が低くなり、元の状態に戻るというイメージです。ただ、長年入れていると皮膚が薄くなってきている可能性もあるので、元よりも少し低く感じてしまう可能性はあります。
インタビュアー
抜いた後に、でこぼこが出たりする可能性はあるのでしょうか?
新行内
ゼロではないと思います。
インタビュアー
抜くだけで、自然な鼻になる方もいらっしゃいますか?
新行内
抜くだけで自然になる方も、もちろんいらっしゃいます。ただ、鼻先の手術も一緒に受けている場合は、プロテーゼと鼻先の連続性を保って形を作っているので、プロテーゼだけを抜くと鼻先が不自然に目立ってしまうケースもあります。そこは、その方それぞれですね。
プロテーゼを抜いた後、鼻筋はどう整えるのか|ヒアルロン酸・肋軟骨という選択肢

インタビュアー
抜いた後に、別の方法で鼻筋を整えることもあるのでしょうか?
新行内
あります。鼻筋の高さを出す方法は、主に3つあります。いちばん簡単なのがヒアルロン酸の注入で、注射で外から入れられます。2つ目が、今お話ししているプロテーゼ。3つ目が自家組織で、肋軟骨という胸の軟骨を採ってきて、それで鼻筋を作る方法です。これは最近、かなり主流になってきています。
インタビュアー
プロテーゼを抜いた後は、どのように作り直すのでしょうか?
新行内
プロテーゼを抜いて、後からヒアルロン酸で作り直すことも可能ですし、抜くと同時に肋軟骨を採って、手術で鼻筋を作り直すケースも最近は多いですね。「一度は異物を入れたけれど、やっぱり全部自分のものにしたい」というご相談もよくいただきます。

鼻プロテーゼは劣化する?10年ごとの交換は必要?よくある質問

インタビュアー
ここからは、プロテーゼについて患者さんからよく聞かれそうな質問を、テンポよく伺っていきます。プロテーゼは必ず劣化しますか?
新行内
必ずというわけではありません。10年、20年と入れておく分には、基本的には問題ないと考えています。ただ、人工物ではあるので、いずれ劣化する可能性はあります。
インタビュアー
10年ごとの交換は必要ですか?
新行内
厳密には、まず必要ないと思います。
インタビュアー
入っているプロテーゼの種類が分からなくても、相談はできますか?
新行内
はい。分からないという方は多いです。シリコンやゴアテックスのほかにも素材はいろいろありますが、分からなくても修正は可能です。
インタビュアー
鼻をぶつけて、プロテーゼがずれることもあるのでしょうか?
新行内
ありえます。よほど強い衝撃であれば、ずれる可能性はあると思います。
インタビュアー
入れ替えは、初回の手術よりも難しいのでしょうか?
新行内
初回よりは、やはり難しいと思います。
インタビュアー
何回も入れ替えることはできますか?
新行内
できますが、そんなに何回も入れ替える必要はあまりないと思います。
インタビュアー
プロテーゼを使わずに鼻筋を作る方法もありますか?
新行内
はい。先ほどお話ししたように、ヒアルロン酸や肋軟骨で作ることができます。
今プロテーゼが入っている人は、どこを確認すればいいのか

インタビュアー
今プロテーゼが入っていて不安な方に向けて、確認してほしいポイントをまとめていただけますか?
新行内
何も気になるところがなければ、それで構わないのですが、まずは見た目に曲がりがないかどうか。それから、鼻筋が腫れたり赤くなったりしていないか。こうしたことがなければ、基本的には大丈夫です。もう一つは、ご自身でグイッと触ってみたときに、プロテーゼが左右に動くかどうかですね。
インタビュアー
触ったときに動くと、何か問題があるのでしょうか?
新行内
本来、プロテーゼは「骨膜」という膜の下に入れなければいけません。骨膜の下に入っていれば、本当は動かないはずなんです。ところが、けっこう動いてしまう方は、実際には骨膜の上に入ってしまっていて、本来入れるべきではない場所に入っているパターンも、中にはあります。そのあたりを見ていただくといいと思います。
動画内で示された「今すぐ確認してほしい3つのポイント」は次の通りです。
- 見た目に「曲がり」や「変形」がないか
- 鼻筋に「赤み」や「腫れ」が出ていないか
- 触ったときに左右に動かないか(動く場合は、本来の層である骨膜の下からずれている可能性)
これらに当てはまらず、違和感もなければ、そのままで問題ないというのが新行内院長の考えです。
まとめ

インタビュアー
今日のポイントを整理していただけますか?
新行内
もちろんです。今日お伝えしたポイントは次の通りです。
- 鼻プロテーゼは、曲がり・浮き・腫れや赤みなど気になる点がなければ、入れたままで基本的に問題ない
- 10年ごとの交換は、まず必要ない。ただし人工物なので、いずれ劣化する可能性はある
- 抜くと鼻筋は元の高さに戻るが、長年入れていた場合は元より低く感じたり、凹凸が出たりする可能性もゼロではない
- 抜いた後は、ヒアルロン酸や肋軟骨で鼻筋を作り直す方法もある。入れ替えは初回より難しい
- 触ったときに動くプロテーゼは、本来の位置(骨膜の下)ではなく骨膜の上に入っている場合もある
新行内
特に気になることがなければ、それほど気にせず過ごしていただいていいと思います。ただ、見た目や違和感など、気になるところがある方は、何かしら対応できると思いますので、ぜひ相談してみてください。
参考動画はこちら
今回の対談の元となった動画はこちらです。
▶ 鼻プロテーゼ、抜くべき?入れ替えるべき?形成外科医が判断基準を解説
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Supervisor of this article
院長 新行内 芳明
SHINGYOCHI Yoshiaki
LIVIN CLINICの院長を務める形成外科・美容外科の専門医。順天堂大学医学部卒業後、医局長や副院長として豊富な経験を積み、2025年より現職に就任。鼻や目元の整形、豊胸手術などを得意とし、国内外の患者から信頼を集めている。「患者一人ひとりの美しさを最大限に引き出す」を信念に、高い技術と丁寧な施術で質の高い治療を提供している。 LIVIN CLINIC院長、形成外科専門医、美容外科専門医JSAPS、医学博士、順天堂大学形成外科非常勤助教。
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